セロトニンと性格

人間は、生まれた時に決まっているものがあります。例えば、親であるとか、男であるとか、女であるとか、生年月日、血液型・・・。こういうのは、いくら努力しても変えられません。(性別に関しては、変えられる場合もありますが。)

 

頭の良さ(何を基準に頭がいいか、というのは問題ですが)、性格などは、「遺伝的なもの」+「育った環境」によって決まる、と言われています。

 

二人以上の子供を育てた経験がある人だったらわかると思いますが、同じ親から生まれた兄弟でも、性格が全然違う場合もあります。

 

人間の性格は、遺伝的に決まっている部分も多いのかもしれません。最近の科学研究によると、性格の種類によっては、環境よりも遺伝的な要素の方が強い、と言われているようです。

 

人間の脳内には、セロトニンという、幸福を味わうために必要な物質が分泌されます。セロトニンは、たくさん分泌されると、精神が落ち着き、多幸感を得ることができるので、「幸せホルモン」と呼ばれています。

 

人間の遺伝子の中に、セロトニントランスポーター遺伝子と呼ばれるものがあります。これは、神経伝達物質であるセロトニンの伝達に関係する遺伝情報が書き込まれた遺伝子です。

 

セロトニントランスポーターは、神経細胞が放出したセロトニンをリサイクルするタンパク質です。セロトニントランスポーターが多いと、セロトニンを脳で効果的に使いまわすことができます。

 

セロトニントランスポーターは、人種によって、多かったり少なかったりします。日本人の7割くらいは、セロトニントランスポーターが少ないタイプです。欧米人は、少ないタイプは2割以下しかいません。

 

セロトニントランスポーターが多いタイプは、日本人では2%くらいしかいないのに、欧米人は30%くらいいます。

 

また、MAO(モノアミン酸化酵素)の中にMAO−Aというセロトニンを分解する酵素があります。このMAO−Aの活性が高い人と低い人がいて、活性が高いとセロトニンをすぐ分解してしまいます。

 

セロトニンが多い人は、いつも安心して、やる気があって、幸せです。あまり先のことを心配しないで、楽しそうに生きていているタイプです。

 

セロトニンが少ない人は、不安になりやすい。先のことを考えて行動して、うまく行かないと鬱屈してしまうタイプです。一方では、損害を回避する傾向があるので、コミュニティの空気を敏感に察知したり、他人に合わせたりする行動は得意です。

 

ほとんどの日本人は、セロトニンが少ない。南米の人などで、いつも陽気な民族がいます。こういう民族は、セロトニンが多いから陽気なのだと思います。

 

セロトニンが多い、少ないというのは、遺伝的な要因が大きいため、自分の努力ではどうにもできないことです。だから、心配性の人は、自分はセロトニンが少ないから心配しやすいんだ、と客観的に、俯瞰的に眺めてみるといいかもしれません。