代替医療

「現代ビジネス」のHPに『がん代替医療「死亡リスク2.5倍」の大きな衝撃!』(原田孝之・筑波大学教授)という記事が掲載されていました。この記事を抜粋して編集してみました。著者の意図とは異なる箇所があるかもしれません。

 

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先ごろ、非常にショッキングな論文が、アメリカの国立がん研究所の専門誌に発表された。

 

イェール大学の研究チームによるその論文では、がん(乳がん、肺がん、前立腺がん、大腸がん)に罹患し、代替医療を受けた人の死亡リスクが、標準治療を受けた人の2.5倍に上ることがわかったと報告されている。

 

論文では、同研究所のデータベースに登録された患者840人のデータを集め、代替医療を選んだ280人、一般的治療を選んだ560人の5年間生存率を比較した。その結果が、上の数字である。

 

健康食品やサプリの効果を調べた結果、ほとんどのものにプラセボ効果以上の効果はなく、軽視できない害もある。似非カウンセリングについては、「流派」によっては、効果がなく害があるものも少なくない。

 

近年、エビデンスに基づく医療(Evidence-Based Medicine; EBM)という言葉を耳にすることが増えた。これは一言で言えば、厳密な科学的データに基づいて治療の選択をしようという動きのことである。

 

その最たるものが、コクラン共同計画という国際的な研究者組織である。1992年にイギリスで設立されたコクラン共同計画は、エビデンスをつくり、それをつたえることを使命としている。

 

具体的には、さまざまな疾患とそれに対する治療法について、現在のところ最も厳密な研究法であるメタアナリシスと呼ばれる手法を使って、最新最善のエビデンスを見出すとともに、その成果である論文(システマティック・レビューという)をインターネット上で公開している。

 

がんの代替医療についてのエビデンスを見てみよう。がんだけで32種類の代替療法に関するコクランレビューが紹介されている。

 

その中には、ヨガ、漢方薬、霊芝、経皮的神経電気刺激、音楽療法、スピリチュアルな介入、高圧酸素療法、胸腺ペプチド、緑茶、抗酸化物質補充、ホメオパシー、鍼療法などがある。

 

たとえば、わが国でも人気の高い「霊芝(キノコ)」の効果は、どのようになっているのだろうか。コクランレビューでは、「霊芝の使用を支持する十分なエビデンスは見出せなかった」「害についての報告はほとんどないが、費用対効果を十分に考慮すべきである」と書かれている。

 

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この記事に掲載されているコクランレビューは、以下のページに掲載されています。

http://www.ejim.ncgg.go.jp/doc/index.html

 

代替医療と呼ばれるものは、たくさん行われています。健康補助食品は、数えるのが困難なほどたくさん販売されています。しかし、代替医療、健康補助食品の多くは、効果が期待できないような気がします。(ごく一部には、効果が期待できるものがあると思っています。)

 

例えば、最近、グルコサミンが入った健康補助食品が売られています。しかし、このグルコサミンの効果には、大きな疑いがあるようです。今年の7月に、世界5大医学雑誌のBMJに、「グルコサミンには効果がない」という研究結果が掲載されました。

 

また、βカロテンやビタミンEなどのいわゆる「抗酸化ビタミン」を多量摂取すると、わずかではあるが寿命が縮まるという研究結果が、相次いで出されています。

 

健康補助食品で間違っているのは、「栄養素があるものを摂れば、健康の改善に役立つ」と考えている点だと思います。それよりも、自分自身の治癒力を引き出したり、毒素を出すようなものがいいような気がします。

 

最近は、西洋医学ではなく、代替医療で病気を治そうとする人が増えてきたように思います。しかし、効果がない代替医療をすると、逆に病気を悪くする可能性があります。代替医療を選択する時には、よく調べてから行うといいでしょう。