『ゼロリスクの罠』(佐藤健太郎著)

スーパーなどで買い物をするとき、成分表を見ることがあります。合成保存料、合成着色料が含んでいるどうか、パンだとバターとマーガリンのどちらが使われているか、などを見ます。

 

できるだけ合成保存料、合成着色料を含んでいないもの、マーガリンでなくバターを使っているもの、有機野菜と普通の野菜が売っていたら有機野菜の方を買うようにしています。

 

しかし、このような選択が健康にどれくらい影響を与えているのかは、不明です。こういうのは、多くの場合、気休めであるかもしれません。

 

『ゼロリスクの罠』(佐藤健太郎著)を参考にして、食について考えてみます。以下は、この書籍を参考に書いていますが、私の見解も一部含まれています。

 

人間は、食べないと生きていけません。しかし、植物、動物は、人間に食べられるために存在しているわけではありません。

 

多くの植物は、害虫から身を守るための天然農薬をつくっていて、これらは、人間に対しても毒性を持ちます。野菜を食べることは、弱い毒を食べていることになります。

 

例えば、「ジャガイモ、タマネギは、新種として発見されたなら、食べ物としては絶対に許可されないだろう」と言う研究者もいます。しかし、人間が昔から食べているものは、毒があっても、習慣的に食べられています。

 

私たちが、日常摂取しているものでも、毒物がたくさんあります。意外と思うかもしれませんが、水も毒物の一種と言ってもいい。人間は、水を大量に飲むと、水中毒になって死んでしまいます。

 

1杯のコーヒーには、1年間に摂取する殺虫剤の残留物よりも、多くの発がん性物質が含まれています。コーヒーに含まれるカフェインは天然農薬であり、大人での致死量は5〜10gという強い毒性を持っています。コーヒーには、詳しく調べられていない化学物質が1000種類以上含まれています。このうち、26種類を調べてみたら、19種類に発がん性物質が見つかりました。

 

食品添加物は、人体への影響が徹底的に調査されているという点で、天然の食品よりも安心とも言えます。このような添加物の摂取許可量は、動物実験で無毒だとされている量の100分の1に設定されています。

 

「化学物質は、体内に蓄積して、長期的に害をもたらすのではないか」と考えている人がいますが、添加物など人の口に入るものには、体内に蓄積して危険をもたらす可能性のあるものは用いられていません。医薬品でもそうですが、人間の体内に化学物質を定着させるのは、かなり困難なことです。

 

グルタミン酸ナトリウムに関して、批判的な考え方がありますが、その危険性は、ほかの食品成分に比べて、とりたてて高いわけではない。塩や砂糖と同じように、大量に摂取すれば、障害が起きます。

 

トランス脂肪酸を、「自然界には存在しない狂った油である」などという記述がありますが、自然界にも少なからぬ量のトランス脂肪酸が存在しています。例えば、牛や羊などの脂には、5%程度のトランス脂肪酸が含まれます。

 

「トランス脂肪酸はプラスチックに似た構造である」「マーガリンは食べるプラスチック」という話が広まっています。昔、植物油を水素化して固形にすることを、「plasticize」と表現していて、それを「油をプラスチック化する」と解釈したものと思われ、実際は違うものです。

 

英国食品基準庁は、過去50年分の各種論文を精査した結果、「農薬や化学肥料を減らして作られた有機農法による食品は、そうでない食品に比べて栄養価が優れているわけではなく、取り立てて健康に好ましい効果をもたらすものではない」と発表しています。

 

現在、寿命を延ばすことができると科学的に証明された方法が一つだけあります。それは、摂取カロリーを通常の7割程度に減らす、「腹七分目」に食べることだそうです。