谷川俊太郎展

初台のオペラシティで行われている『谷川俊太郎展』を見てきました。チケット売り場には、常に30人ほどの行列ができていました。予想していたより多くの方が来場していたのには、びっくりしました。

 

谷川俊太郎さんは、ご存知の方が多いと思いますが、日本を代表する詩人です。教科書にも掲載されていて、現代では、一番有名な詩人と言ってもいいかもしれません。

 

絵や彫刻などの美術品の展示会は、盛んに行われていますが、詩人の展示会は、あまり行われていません。詩人の展示会は、どのような形で行われるのだろう、ということにも興味がありました。

 

2年くらい前に、詩人の吉増剛造さんの展示会に行ったことがあります。吉増剛造さんの詩には、強力な意味不明な荒々しいエネルギーを感じられますが、詩風と同じような展示会でした。

 

一方、谷川俊太郎さんの展示会は、洗練された雰囲気で、谷川さんのお人柄を偲ばれるものでした。

 

今の時代に、詩人として生計を立てている人は、どれくらいいるのでしょうか。私が想像するに、詩だけで生計を立てている人は、10人にも満たないと思います。あるいは、皆無かもしれません。

 

昔から、「詩で食っているのは谷川俊太郎さんだけ」という話があります。谷川俊太郎さんは、詩だけでなく、絵本、小説、歌詞なども手掛けているので、ある程度の収入があると思われます。

 

ずいぶん前ですが、谷川俊太郎さんの年収を聞いたことがあります。この年収は、本当の数字かどうか不明ですが、普通のサラリーマンよりも、少し多いくらいの金額でした。

 

普通、どのような職種でも、日本一になる人は、年収1億円を超えているものです。しかし、詩の世界で日本一である谷川俊太郎さんは、年収1億円に満たないと思われます。

 

詩集の売れ行きランキングを見ると、昔の詩人ばかりが並んでいます。現代詩人でよく売れているのは、谷川俊太郎さんと最果タヒさんくらいだと思います。

 

谷川俊太郎さん、最果タヒさんの詩集を何冊か読んだことがありますが、詩が好きなマニアにはいいかもしれませんが、大衆向けではないような気もします。

 

日本でも、詩人が詩だけで生計が立てられるようにならないといけないと思う。詩人が生計を立てられないのは、詩としての完成度が低いと同時に、読み手の問題もありそうです。

 

詩人が詩を書いて生計を立てられないのは、どうしてだろうか。詩人も、もっと沢山の展示会ができるのではないか。こんな思いを持ちながら、谷川俊太郎展を後にしたのでした。

 

―日本でプロフェッショナルだと言える詩人が三人いる。それは田村隆一、谷川俊太郎、吉増剛造だ。―(吉本隆明)