花に嵐のたとえもあるぞ

今日は、嵐のような強い風が吹いています。桜の枝も、強い風に揺さぶられていますが、桜の花は、開花したばかりなので、あまり影響はないようです。

 

―花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ。―(井伏鱒二訳)

 

これは、以下の漢詩を井伏鱒二さんが和訳したものです。味わい深い訳で、大好きな文言の一つです。今日の嵐と桜を見て、この文言を思い出しました。

 

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君勧金屈巵(さあ この杯をぐいっと飲み干してくれ)

満酌不須辞 (飲めないなんて言うなよ)

花発多風雨 (せっかく花が咲いても嵐で花が散らされることもあるように)

人生別離足 (人生には別れがつきものなのだから)

 

※カッコ内の訳は、ヤフー知恵袋へ投稿されたものを拝借しました。

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この漢詩で書かれている「花」とは、「梅の花」だと思います。日本では「花」と言えば「桜の花」を意味しますが、中国では「梅の花」を意味します。日本でも、昔は、桜の花よりも梅の花の方が尊ばれていました。これは、中国の影響かもしれません。

 

「花に嵐のたとえもあるぞ」は、「良いことには邪魔が入ることがある」「人生には、何が起きるかわからない」というような意味であり、「さよならだけが人生だ」は、「花が散るように、今日の別れは、最後の別れになるかもしれない」というような意味です。

 

「月に叢雲(むらくも)華(花)に風」という諺があります。これは、「月を隠す雲や花を散らす風のように、好事には邪魔が入りやすく長続きしない」という意味です。井伏鱒二さんは、この諺を元にして、上記の和訳を考えたのかもしれません。

 

3月は卒業式などがあってお別れの時期であり、4月は入学式など新しい出会いの時期です。人生は、出会いと別れの繰り返しと言ってもいいでしょう。春は、いろいろなことが新しくなる時期です。私も、新しく生まれ変わろうと思う。