人の性格

昨日紹介した書籍には、著者が行っている受刑者の更生について書かれていました。受刑者を更生させるのは、大変なことだと思います。

 

まずもって、「何を持って更生というのか」「悪いことをしなくなるのが更生なのか」「社会に迷惑をかけなければいいのか」「悪いことをしなくても、心の中で悪い感情を持っているのは、どうなのか」などという問題があります。

 

人の性格、性質、習癖を変えることは困難です。刑法犯の48%は再犯である、というデータもあります。刑務所で、きちんとした更生が行われているのであれば、こんなに多くの再犯者はいないはずです。この数字は、更生や人の性格を変えることは困難であることを示しています。

 

性格や習癖を変えるのが困難なのは、一般の人でも同じです。二人以上の子供を持った親だったら、わかると思いますが、同じ兄弟でも、生まれたときから性格が違います。子供のときの性格は、大人になっても引き継がれるものです。

 

人の性格は、どうやって形作られているのかというと、「遺伝」+「育つ環境」だと思います。研究データによって、いろいろ差異がありますが、「遺伝」と「育つ環境」だいたい半分ずつ、という意見が多いようです。持って生まれた遺伝子によって、性格が違うことは、間違いなさそうです。

 

どのような環境で育つかによっても、性格が違ってきます。子供は、親の物まねをすることによって、多くのことを学びます。子供が成長する過程において、親からの影響は免れません。

 

教育で性格が形作られるならば、教育をきちんとした方がいい。しかし、「どのような教育をするのが望ましいのか」「どのような性格になるのが望ましいのか」というのは、議論の余地があると思います。

 

子供の性格は、育つ環境である程度変えられるかもしれませんが、大人の性格を変えることは、極めて難しいと思います。自分の性格を直そうと思っても、なかなか直らないものです。

 

以前、予約制で仕事をしていたことがあります。予約をきちんと守る人、予約を守らない人は、決まっています。予約をきちんと守る人が、突然、予約を守らなくなったことはありません。逆も、しかりです。

 

ときどき、予約を守らない人が、「これからは、絶対に予約を守るようにします」と高らかに宣言することがあります。しかし、これが遂行された試しは、ほとんどありません。

 

人の性格が突如として変わることがあります。それは、「アハ」のような体験です。何かにハッと気がつく、雷に打たれたような衝撃と言ってもいい。例えば、「死を意識した」「病気になった」「ほかの人からの優しさを感じた」「使命感を感じた」など。このような衝撃的な体験をすると、人の性格が変わることがあります。

 

ほかの人から、何か言われても、人の性格は、なかなか変わりません。しかし、自分の中で、自分の心の奥底で、ハッとした気づきがあると変わることがある。そして、ハッとした気づきがあると、新たな人生を歩むことになります。このハッとした気づきがあるかどうかで、人生は大きく変わるのかもしれません。