心理学の実験

これまで信じていた科学的な事柄が、実は嘘だった、ということがあります。特に、心理学の実験では、正しいと思われていたことが違っていたり、捻じ曲げられて伝えられていることがあります。

 

捻じ曲げられて伝えられたことで有名なのは、『メラビアンの法則』かもしれません。これは、アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが「コミュニケーションを取るとき、話の内容と声のトーンや態度に矛盾があった場合、人は何を重視するか」という研究結果です。

 

メラビアンによると、第一印象を決定づける要因として、「表情、見た目、しぐさ、視線などの視覚情報が55%」「話し方、声の質・大きさ・速さなどの聴覚情報が38%」「話の内容、言葉の意味などの言語情報が7%」という統計結果でした。

 

メラビアンの法則は、コミュニケーション、プレゼンテーションなどを解説する人に、よく使われています。メラビアンの法則について説明した書籍も、何度も読んだ記憶があります。

 

しかし、メラビアンの法則は、誤りであるようです。誰かが勝手に違う解釈をして、広まったもののようです。

 

メラビアンさん自身も、「この実験は、好感・反感などの感情コミュニケーションを扱う実験から生み出されたものであり、話者が好意や反感について語っていないとき、普段のコミュニケーションは、この等式に当てはまらない」と語っています。

 

「誰かに頭の後ろをじっと見られていると、人は見られているのがわかる」という話があります。

 

この話を信じている人は、多いのではないでしょうか。私も、なんとなく後ろからの視線を感じて振り向いたら、誰かが私を見ていた、ということがあります。人間には、第六感のようなものがあって、後ろからの視線を感じ取っていると思っていました。

 

しかし、心理学者のエドワード・ティッチェナーさんは、何度もこの実験を繰り返しましたが、嘘であるという結果になり、完全否定しています。

 

「サブリミナル効果」と言われているものがあります。映画の中にサブリミナル効果のあるコーラとポップコーンの画像を入れておいたら、コーラとポップコーンの売上が上がった、という話です。

 

この話は、とても有名なので、知っている人も多いでしょう。しかし、この実験には裏があって、広告代理店が仕込んだとも言われています。多くの人が、これに関する反復実験を行いましたが、誰も成功していないようです。

 

潜在意識にメッセージを送って、脳を刺激するような自己啓発のテープなども、効果はないという結果が出ています。

 

私たちが信じている心理学の実験は、意外と誤りが多いのかもしれません。