水槽の脳

1999年に公開された『マトリックス』という映画があります。「Matrix」は、ラテン語の「母」を意味するmaterから派生した語で、転じて「母体」「基盤」「基質」「そこから何かを生み出す背景」などの概念を表します。この映画では、コンピュータの作り出した仮想現実を「MATRIX」(マトリックス)と呼んでいます。

 

『マトリックス』の粗筋をWikipediaをもとにして、編集してみました。

 

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トーマス・アンダーソンは、大手ソフトウェア会社に勤めるプログラマである。トーマスには、コンピュータ犯罪を起こす天才ハッカー「ネオ」という、もう1つの顔があった。トーマスは、ここ最近、起きているのに夢を見ているような感覚に悩まされ「今、生きているこの世界は、もしかしたら夢なのではないか」という、漠然とした違和感を抱いていた。

 

トリニティと名乗る謎の女性と出会ったトーマスは、トリニティの仲間のモーフィアスを紹介され「貴方が生きているこの世界は、コンピュータによって作られた仮想現実だ」と告げられ、このまま仮想現実で生きるか、現実の世界で目覚めるかの選択を迫られる。

 

日常の違和感に悩まされていたトーマスは、現実の世界で目覚める事を選択する。次の瞬間、トーマスは自分が培養槽のようなカプセルの中に閉じ込められ、身動きもできない状態であることに気付く。

 

トリニティ達の言ったことは真実で、現実の世界はコンピュータの反乱によって人間社会が崩壊し、人間の大部分はコンピュータの動力源として培養されていた。覚醒してしまったトーマスは、不良品として廃棄されるが、待ち構えていたトリニティとモーフィアスに救われた。

 

トーマスは、モーフィアスが船長を務める工作船「ネブカドネザル号」の仲間として迎えられた。モーフィアスは、「ネオ」(トーマス)こそがコンピュータの支配を打ち破る救世主であると信じ、仮想空間での身体の使い方や、拳法などの戦闘技術を習得させた。人類の抵抗軍の一員となった「ネオ」(トーマス)は、仮想空間と現実を行き来しながら、人類をコンピュータの支配から解放する戦いに身を投じる事になった。

 

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『マトリックス』の映画の元になったと言われている「水槽の脳」という思考実験があります。「水槽の脳」について、Wikipediaを参考にまとめてみました。

 

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「水槽の脳」とは、「あなたが体験しているこの世界は、実は水槽に浮かんだ脳が見ているバーチャルリアリティなのではないか」という仮説。

 

哲学の世界で多用される懐疑主義的な思考実験で、1982年に哲学者ヒラリー・パトナムによって定式化された。正しい知識とは何か、意識とはいったい何なのか、といった問題、そして言葉の意味や事物の実在性といった問題を議論する際に使用される。

 

科学者が人から脳を取り出し、脳が死なないような特殊な成分の培養液で満たした水槽に入れる。そして、脳の神経細胞を、電極を通して脳波を操作できる非常に高性能なコンピュータにつなぐ。

 

意識は脳の活動によって生じるから、水槽の脳はコンピュータの操作で通常の人と同じような意識が生じよう。脳は、コンピュータからの電気信号を受け取っても、現実世界のように感じるかもしれません。実は、現実に存在すると思っている世界は、このような水槽の中の脳が見ている幻覚ではなかろうか?

 

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最近は、「バーチャルリアリティ(仮想現実)」という言葉を聞くことが多くなりました。私たちの脳が感じていることは、本当に現実なのか、仮想なのか、わからない。「水槽の脳」のように、私たちが現実に存在していると思っている世界は、脳が見ている幻覚かもしれません。