ヘンリー・ダーガー

「引きこもり」という言葉を頻繁に聞くようになったのは、ここ10年か20年のことだと思います。その前までは、「引きこもり」という言葉を聞くことは少なかった気がします。

 

引きこもっていたことで有名な人に、「ヘンリー・ダーガー」というアーチストがいます。(以下、ウィキペディアを参考に編集しています。)正式には、「ヘンリー・ジョセフ・ダーガー・ジュニア」と呼ばれていますが、正式な発音は不明のようです。

 

ヘンリー・ダーガーは、『非現実の王国で』の作者です。誰にも見せることなく、半世紀もの間、たった一人で作品を描き続け、死の直前にそれが発見され、アウトサイダー・アートの代表的な作家として評価されるようになりました。

 

ダーガーは、孤独の中に生きて、職場である病院と教会のミサに通うほかは、自宅アパートに引きこもっていました。

 

ダーガーは、19歳の時『非現実の王国で』を書き始めました。執筆は約60年間に渡り、亡くなる半年前に老人ホームに収容されるまで、誰に知られることもなく続けられました。

 

『非現実の王国で』は、グランデリニアとよばれる、子供奴隷制を持つ軍事国家と、アビエニアとよばれるカトリック国家との戦争を描き、1万5145ページに及ぶ物語です。

 

ダーガーは物語の完成後も、同じヴィヴィアン・ガールズを主人公とした続編『シカゴのおけるさらなる冒険』を執筆しはじめました。こちらも、8500頁に及ぶ長編作品であり、原稿は手書きのまま残されています。

 

ダーガーが暮らしたアパートの家主であり、芸術家でもあるネイサン・ラーナーがダーガーの持ち物を整理するために部屋を訪れたときに、300枚の挿絵と1万5145ページのテキストからなるこの物語が発見されました。

 

訪問前にラーナーが「部屋のものはどうしようか」と尋ねたときも、ダーガーは物語の存在を明かさず「何でも好きにしてくれ」と語っていたそうです。亡くなった時には、焼却することを希望していたらしい。

 

ダーガーは、60年もの間、『非現実の王国で』を書き続けました。この小説は、世界一長い小説と言われています。あまりに長すぎて、これまで、全文が刊行されたことがありません。

 

60年もの間、一つの小説を書くのは、すごい。それを、世の中に出そうとしなかったのも、すごいと思う。ダーガーは、自分の内なる世界に住んでいたのでしょう。

 

エネルギーを内に向けて発散する人もいるし、外に向けて発散する人もいます。人それぞれ、エネルギーを発散する方向は違うけど、その人が幸せだったら、それでいいんじゃないかな。