嗅覚が与える影響

人間は、いろいろな感覚を持っています。視覚から得られる情報の割合は87%、聴覚は7%、触覚は3%、嗅覚は2%、味覚は1%と言われています。

 

上記の割合は、研究者によって、多少の差がありますが、視覚からの情報が圧倒的に多いことは間違いありません。私たち人間は、無意識的にも、視覚からの情報を重要視しているのかもしれません。

 

しかし、視覚ではない感覚(聴覚、触覚、嗅覚、味覚)は、より大切にし、より意識した方がいいような気がします。こういう感覚に強く意識をしていると、心や体にも変化が起きるかもしれません。

 

昨年の11月、『ガッテン』という番組で「あなたは大丈夫?鼻の力の最新報告」が放映されました。嗅覚によって、心や体に影響があるという内容でした。これは、嗅覚だけでなく、聴覚、触覚、味覚にも言えることかもしれません。

 

『ガッテン」の内容を紹介します。以下は、『ガッテン』のHPを参照して、加筆をしたものです。

 

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多くの人が日々、特に気にとめることもなく使っている“においを嗅ぐ力”、「嗅覚」。実は今、注目の感覚です。21世紀に入って、嗅覚の解明に貢献した研究がノーベル賞を受賞。

 

嗅覚が脳の記憶や感情などをつかさどる部位を直接刺激することなど、ほかの五感とは異なる特徴もわかってきました。香りをかぐと、脳の中の感情や行動に関連する扁桃体や記憶を司る海馬が反応します。

 

そのため、香りをかぐと、それに関連した記憶が思い出されることがあります。「洗剤のにおいを嗅ぐだけで自然と掃除をしてしまう」など、においと行動・感覚との不思議な関係も次々と報告されています。

 

多くの人は自覚していませんが、嗅覚は20代をピークに年とともに衰えていきます。人によっては、やる気がなくなったり、筋力が低下したりと意外な影響が出ることもわかってきました。

 

嗅ぐ力が衰えたって、別にそんな困らないんじゃない?と思いきや、こんな影響がでることもあります。

 

例えば、食欲が無い、外出が面倒、元気が出ない、覇気がない、人付き合いが嫌になる、1日の時間感覚にめりはりを感じない、筋肉量が減る、虚弱体質になる、地域活動への参加まで減ったり。

 

これは、においがわからないと味わいが落ち、食欲が減ることで、悪循環に陥ることがあるためです。さらに嗅覚は、喜怒哀楽などの感情とも深く結びついていたり、時間や空間を認識する力とも関係しているため、思いがけない影響につながると考えられています。

 

自分の嗅覚の衰えは意外と気づきにくい。専門家がオススメするのは、においを認識しやすいカレーもしくはメンソール(ミント)を嗅いでみて、においがわかるかどうかを確かめること。一般に、加齢に伴い嗅覚はしだいに低下するので、心配しすぎることはありませんが、気になる場合は、まずは耳鼻咽喉科へご相談を。

 

日常生活で、食べ物や草花など、身の回りのにおいを「何のにおいか意識しながら」嗅ぐだけ!においセンサー(嗅神経細胞)の数が増え、脳内回路のネットワークが強まると考えられています。

 

高知大学耳鼻咽喉科の奥谷文乃先生は、ドイツで開発された嗅覚が回復する治療法を紹介しました。これは、「様々な匂いの入ったボトルを毎日嗅ぐ」という方法です。匂いの刺激によって、センサー(嗅神経細胞)が増えるそうです。

 

キッチンで「これはリンゴだな」と思いながら、嗅ぐ。食事の時「みそ汁のおいしいにおい」と思いながら嗅ぐ。仕事の合間にも「コーヒーのいい香り」と思いながら嗅ぐ。習慣づけていれば嗅覚低下の予防になりますし、一度衰えても、嗅覚が回復することが期待されています。