ターマン調査

多くの人数を長期間に渡って調査した結果は、価値があると思います。このような調査の一つに、「ターマン調査」と呼ばれるものがあります。

 

スタンフォード大学のルイス・ターマン教授は、1921年から、10歳前後の児童1528人を対象にして、性格を分析し、どのような人生を歩んで行くのか、5〜10年おきに、インタビューを行う形式で研究をしました。

 

このターマン調査について、2011年の週刊現代の記事とアマゾンのレビューを参考にしてまとめてみました。以下は、私が校正したものですので、実際の調査結果と異なる箇所があるかもしれません。詳しい内容を知りたい方は、『長寿と健康』を読んでみてください。

 

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ターマン教授の調査によると、人が長く健康で生きられることには、個人の性格や社会生活などが密接に関係している。

 

ターマン教授の死後、カリフォルニア大学リバーサイド校特別教授のハワード・S・フリードマン博士が残された資料を基に対象者の追跡調査の継続をスタートし、一般読者向けの医学ノンフィクションとして『長寿と健康』という書籍にまとめました。

 

定期的な医療検査や適度な運動、薬剤によるビタミン補給や積極的な緑色野菜の摂取、これらは、長く健康でいるための大切な要素と考えられていますが、長寿者の中に、健康オタクはいませんでした。

 

70歳を超えて健在の高齢者には、共通する性格があることがわかりました。それは、「良心的」「慎重」「粘り強い」「計画性がある」ということです。健康で長生きする人ほど、「真面目」な性格を備えていました。

 

従来、陽気で快活でポジティブな人は長生きをするケースが多く、声を出して笑うことは健康にいいと考えられてきました。しかし、周囲に陽気と思われている人は、むしろ短命でした。

 

例えば、陽気さが売りのコメディアンは、一般の人より短命だというデータがあります。それは、彼らが辛い経験を押し隠すために、あえて明るくふるまったり、不健康な生活を送っている人が多いという背景があるからです。

 

明るく陽気な性格は、不健康なライフスタイルにつながりやすく、健康リスクという点からみると、高血圧や高コレステロール並みに危険だといえます。

 

70歳以上生きた対象者の幼少期における性格診断のデータを紐解くと、「陽気で面白い」「学校の人気者」と評価された人より、「親からの信頼が厚い」「間違ったことをしない」「ルールを守る」など、「優等生」の印象をもたれた人間のほうが圧倒的に多かった。

 

子供の頃、真面目な性格だった人は、大人になってからも、「ローンを組むときは慎重に考える」「やると決めたことは最後までやり遂げる」と答えました。高い「conscientious」(真面目さ)を持っていた人物は、それをキープし続ける場合が多い。

 

幼少期より分別があり、目立ちたがりでもない「真面目」な人間は、成人後も堅実な生活を送っているケースが多い。結果、「conscientious」度が高いほど、糖尿病や高血圧といった成人病にかかる例が少なくなっている。

 

2001年の段階で、男性の70%、女性の51%が亡くなっている。故人の中でもっとも多かったのが「conscientious」指数の低い、「真面目さに欠ける人」だった。彼らに共通するのが、「陽気」で「楽観的」との評価を幼少期に受けていることでした。「楽観主義」=「高コレステロール並みに危険」であるようです。

 

『conscientious』以上に、長寿と密接に関係していると思われるのが、仕事上の成功です。社会的な評価を得続けている人は、真面目な人よりずっと長生きしていました。

 

悲観的すぎる人間は短命だという結果が出ています。過度のストレスが体に悪いことも事実です。

 

調査対象者のなかに、幼少期、教師に叱られただけで「すべて私のせいだ」と思い込んでしまう少女がいました。そうした思考の人は、その多くが人生の上でアクシデントを抱え、キャリアにおいて成功をおさめることができませんでした。

 

仕事で成功した人が、成功を実感していなかった人に比べて、平均で5年以上長生きしていました。仕事に限らず、引退後に資格や賞を取るために努力を続けた人は、長寿を全うしました。

 

今までは、生きていく上で「他者から愛される感覚」が必要だと言われていました。それが、今回の結果では、愛されている実感は、寿命に直接影響することがありませんでした。

 

むしろ、知人、友人が多く、定期的に会う相手がたくさんいる人ほど、つまり社交ネットワークが大きい人ほど、長生きできました。「愛されている」ことを実感できる深いつながりより、単純に人と接する機会が多ければ多いほど、長生きにはいい。

 

結婚という点で考えるなら、もっとも長命だったのは、一人の奥さんと生涯連れ添った男性で、その多くが70歳以上まで生き、奥さんに看取られて亡くなっています。

 

次に長生きするのは、生涯独身の男性。最も短命なのは離婚後、再婚をしなかった男性で、その65%以上が70歳に達する前に亡くなってしまっています。妻と死別した男性は、そのほとんどが数年後に息絶えました。

 

女性に関しては、男性とはまったく違う興味深い結果が出ました。夫と離婚しても、あるいは夫に先立たれても、彼女たちの寿命にほとんど影響を与えない。

 

彼女たちは総じて長寿であり、むしろ夫がいなくなってからの方が生き生きと健康になったケースが目立つ。結婚生活の充実が男性にとって重要であるのに対し、女性には大きな影響がない。

 

女性で重要なのは何とオーガズムの回数です。夫婦間のセックスで、絶頂に達する頻度がより多い人ほど長寿でした。

 

男性は、真面目で常に仕事に意欲を燃やし、夫婦円満で、適度に社交的であれば、もっとも長生きできるということになります。

 

次のような考えは、間違いという結果になりました。

・憎まれっ子は長生きする。

・結婚したほうが長生きする。

・悲観論者は長生きできない。

・体を動かさないと長生きできない。

・愛されていないと長生きできない。

・早くリタイアしないと長生きできない。

・真面目人間は長生きできない。

・好きでもないジョギングをやっても、寿命は長くならない。

・善人ほど早死にして、悪人は長生きする。

・働き過ぎは良くない。あまり無理しない方が健康で長生き出来る。

・心配性は健康に良くない。

・楽しい事を考えればストレス解消で長生き出来る。